
「下へ」(淵に浸るシカ) 2012 イラストボードにアクリルガッシュ
偶蹄目シカ科、メスと子供の群れの他、オスは単独かオス同士の小さな群れでいることが多い。
秋の繁殖期には力の強いオスが複数のメスを囲うハレムを作り他のオスを牽制するため毎日戦いにあけくれる。この頃のオスは角も堅くりっぱになり、たてがみと首の周りの長い剛毛も黒くつやが出てくる。強いオスは角をふりがさしながらハレムの中を歩き、時折重い角を辺りの木や地面にぶつけ太い首をのばして咆哮する様は、いかにも猛々しい印象をまわりに与える。
脚が長く持久力のあるシカを追い詰めるのは、容易なことではない。
今はもういなくなってしまった嘗ての天敵ニホンオオカミに代わって、彼らをどこまでも追うのは訓練された猟犬だけかもしれない。それでもシカは相手との距離をあっさり開けてしまうが、イヌも持久力では引けを取らない。
追われたシカはたいてい川に入り、川下に向かって逃げる。
自分のにおいを消すためと熱くなった体を冷ますためだと言われるが、シカは森の中よりも開けた所を走りたい生き物なのかもしれない。
シカの肉は脂がほとんど無く淡白なので、ダイエット食として需要が高まっている。
ややかたい肉質で風味に乏しいので、鍋で野菜と一緒に煮込んだりタレに漬けてから焼肉にして食べるとなかなかいける。
牝鹿は狩猟対象外だから口に入るシカ肉はほとんどが牡鹿だが、最近はあちこちで増えすぎたシカに手を焼いていて、自治体によっては牝鹿も獲っていいところがある。
日本国内における狩猟は、「鳥獣保護法」にのっとり様々な規約で制限がかけられている。
狩猟してよい鳥獣と狩猟してはいけない鳥獣があり、狩猟期間も11月15日〜2月15日近辺と決まっている。(自治体によって多少時期のずれがある)
狩猟をするには狩猟免許が必要で、狩猟方法にも規定があるので気をつけたい。