
「穴熊その2」(ツキノワグマの冬ごもり) 2012 イラストボードにアクリルガッシュ
食肉目クマ科、基本的に単独生活、日本最大の肉食動物であり、豊かな森の象徴でもある。
北海道のヒグマよりも大分小型で、より雑食傾向が強い。とはいえ、鋭い爪と牙を持ち、大きな雄では体長2メートル体重200キログラムを超えるというからやはり人にとって恐ろしい猛獣には違いない。
餌の乏しい冬は穴の中でうつらうつらして何も食べずに過ごすから、春のクマはみな痩せこけて腹をすかしている。
妊娠した牝熊は冬ごもりの間にたいてい2匹の仔を産む。
冬ごもり用の穴でクマにとって最高なのは、大きなミズナラに出来たウロだと言う。入り口は狭いが中は広く、ほどよく乾燥していていかにも居心地が良さそうだ。最近ではこんな大木はめったに見られなくなったが・・・。
古くから、「マタギ」と言われた狩人たちはクマ狩りを醍醐味とし、厳しく統率された数人の男たちで主に冬ごもり中のクマ、俗に言う「穴熊」を狩った。捕ったクマは肉も脂も毛皮も骨もあますことなく利用し、特に熊の胆(胆嚢)は山人の貴重な現金収入にもなったと言う。
秋から冬のクマ肉は豊富に脂がまじっていて、野菜と一緒に鍋物にしても焼肉にしてもおいしい。
やや臭みがあり硬い肉だが、そのくせっぽさがちょうど良く、人によっては病み付きになる。
ただ、食べ過ぎると鼻血が出たり、お尻から余った脂が染み出てくるというから気をつけたい。しかしこれはそうとう食べた時のことだと思われるので、普通は心配いらない。
日本国内における狩猟は、「鳥獣保護法」にのっとり様々な規約で制限がかけられている。
狩猟してよい鳥獣と狩猟してはいけない鳥獣があり、狩猟期間も11月15日〜2月15日近辺と決まっている。(自治体によって多少時期のずれがある)
狩猟をするには狩猟免許が必要で、狩猟方法にも規定があるので気をつけたい。