日本の哺乳類分布


日本は十数万年にわたって他の大陸から孤立してきたため、本土内に多くの固有種が生まれました。
起伏に富んだ緑豊かな地形は南北に細長く、北は冷涼な寒帯域から南は温暖な亜熱帯域まで、
実に様々な気候と環境に恵まれてきました。
そこで、日本列島をおおまかに4つのブロックに分けて見ることにします。


地域 主な気候帯 主な哺乳類
北海道 亜寒帯
(旧北区)
*シベリア系にかたよる
(北海道のみの種)
ヒグマ・クロテン・エゾリス・シマリス・ユキウサギ・ナキウサギ
(本州との共通種)
キツネ・タヌキ・オコジョ・イイズナ・モモンガ・トガリネズミ・アカネズミ・ヒメネズミ・ヤチネズミ・シカ
本州 温帯
(旧北区)
*北方系と南方系の混生地帯
(北方系の種)
オコジョ・イイズナ・キツネ・タヌキ・リス・モ モンガ・アカネズミ・ヒメネズミ・ヤチネズミ・ノウサギ
(南方系の種)
ニホンザル・ニホンカモシカ・イノシシ・ツキノワグマ ・ムササビ・ヤマネ・ジネズミ・カワネズミ・モグラ・ヒミズ
対馬温帯
(旧北区/東洋区)
(日本系)
ヒメヒミズ・ヒミズ・テン・アカネズミ・カヤネズミ
(朝鮮系)
ツシマヤマネコ・コジネズミ・クロアカコウモリ
南西諸島 亜熱帯
(東洋区)
*南方系の北限
アマミノクロウサギ・アマミトゲネズミ・ケナガネズミ・イリオモテヤマネコ・エラブオオコウモリ・オナガジネズミ・オキナワハツカネズミ


以上がだいたいの(おおざっぱな)動物地理です。

「ふぅん、日本って実はすごいところなの?」とか「意外といろんな動物がいるんだなぁ。」
とか感じてもらえればまずこれ幸い。

これらの中から日本固有種を挙げていくと、
ヒミズ・ヤマネ・モグラ・ニホンザル・ニホンカモシカ・モリアブラコウモリなどなど
全哺乳類中約半分もの数にのぼってしまいます。
日本列島にはその面積の割に驚くほど多種多様な動物が住んでいることを、
これを機にあらためて実感してみるのもいいものです。

そして、外国からの移入種や野生化したペットなども今後増えていくことが考えられます。
これら外来種は様々な意味で大きな問題をはらんでいるのは事実です。
でも、彼らの存在を一概に否定するばかりではなく、新たな視野で見つめてみるのも
良い発見につながるかもしれません。
我々人間が無理やり連れて来てしまったんですから・・。

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