アズマモグラの頭骨

食虫目モグラ科ニホンモグラ属 本州産
Mogera imaizumii (Kuroda,1957)



頭骨全長36mm 頭骨幅(頬骨弓幅)12mm 歯式 3/2・1/1・4/4・3/3

ミミズや昆虫類を主食にするため全体的に鋭い歯がずらりと並んだ感じです。食虫目の中でもモグラは比較的歯の機能分化が進んでいて、平たい小さな切歯・大きな犬歯・臼歯と、分かりやすく並んでいます。細いですが頬骨弓がきちんと存在するのはヒミズも同様で、他の食虫目であるトガリネズミ科には頬骨弓がありません。地理的変異が大きく、山地や日本海側のものは小型で、東北・関東の平野や太平洋側のものは大型になる傾向があるようです。



コウベモグラ(左)とアズマモグラ(右)の頭骨における主な違いは、切歯(前歯)の並び方です。コウベモグラはゆるやかなカーブを、アズマモグラは中心が尖ったやや急なカーブを描きます。地理的変異の大きなモグラ類を大きさだけで判別するには少々無理があるので、どうしても骨や歯を見ないとなりません。これは、他の小型哺乳類にも共通の判別手段です。



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