カモシカ・キョン・イノシシ

1.ニホンカモシカ；偶蹄目ウシ科カモシカ属。頭胴長約８０cm、肩高約７０cm、体重約４０kg。本州・四国・九州に生息。

2.ニホンイノシシ；偶蹄目イノシシ科イノシシ属。頭胴長♂約１４０cm、肩高♂約７０cm、体重♂約１００kg。本州・四国・九州に生息。（奄美や沖縄などに生息するリュウキュウイノシシは本州産の半分の大きさしかない小型亜種。）

3.キョン；偶蹄目シカ科ホエジカ属。頭胴長約１００cm、肩高♂約４８cm・♀４５㎝、体重♂約１４kg・♀１２㎏。千葉県南部に生息する移入種。

ニホンカモシカはシカと同じく反芻（食物の噛み直しによる再消化）をし、眼下腺でマーキング（匂い付け）し、上顎に前歯（切歯）がありませんが、シカ科ではなくウシ科になります。そのため、オスメス共にある角は「洞角」といって一生生え変わらず、シカのオスのみにある「枝角」とは構造が異なります。単独性でなわばりを持ち、雄も雌も発達した眼下腺でマーキングを行います。大きく柔軟に開く特殊な蹄で岩場を移動する深山のけものといった感じです。ところが最近は保護されてきたこともあり数が大分増え、造林地の苗木や農作物を食い荒らす問題も出てきました。もちろん、自然林伐採による餌不足が大きな要因でもあるのですが・・。特別天然記念物でありながら毎年その多くが「駆除」されているのはカモシカだけかもしれません。
キョンはもともと中国南東部・台湾に生息する小型のシカで、国内のものは動物園から逃げ出した個体が野生化したのが最初だと言われています。雄の上顎犬歯や眼下腺・前頭腺はよく発達し、繁殖期にはマーキングを頻繁に行います。単独で生活することが多く、危険を感じると「キョン！」と鋭く鳴きます。
イノシシは雑食性のけもので反芻はしません。上下の牙は特にオスに顕著で、その鋭い武器はかつての天敵、オオカミさえ引き裂く強力なものです。今では猟犬などに襲われた時に、牙をカチカチ鳴らして威嚇するそうです。体毛が荒いので皮膚に寄生虫が付きやすく、それらを落とし表面を保護するためによく「ぬたを打つ（泥浴び）」と言います。

カモシカのひづめ

シカ

イノシシのひづめ

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