エゾシカ・ホンシュウジカ・ヤクシカ
(上記イラストは全て冬毛のもの)
1.エゾシカ
;偶蹄目シカ科シカ属。頭胴長140~180cm、肩高♂約85~93cm、体重♂約120kg♀約85kg。北海道に生息。
2.ホンシュウジカ
;偶蹄目シカ科シカ属。頭胴長130~160cm、肩高♂約83~86cm、体重♂約85kg♀約50kg。本州・四国・九州に生息。
3.ヤクシカ
;偶蹄目シカ科シカ属。頭胴長♂約114cm♀約95cm、肩高♂約65cm、体重♂約33kg♀約25kg。屋久島に生息。
ニホンジカは地域ごとの変異があり特に体格の差は大きく、最大は北海道のエゾシカ、最小は屋久島のヤクシカになります。夏は鹿の子模様の明るい赤褐色、冬は模様が消えた灰褐色に毛変わりします。
角はオスのみにありメスにはありません。春先5月には皮膚のかむった柔らかい「袋角」が生えてきます。角は次第に成長して9月頃には覆っていた皮膚も敗れ去り、骨質のりっぱな四尖の
枝角
(若齢個体は一本角から三尖。ヤクシカの角は最多三尖までです)が完成します。この時期オスの首は太くたくましくなり、「ぬた」を打ち(泥と尿と精液の中を転がる)、己の体臭を撒き散らしながらメスをめぐる戦いにあけくれるようになります。強いオスは勝ってハレムを形成し、晴れて一族の主になるという訳です。とは言っても、あぶれたオスが隙を盗んでメスにちょっかいを出しに来るので主となっても落ち着いていられませんが・・。冬間近の山あいのあちこちから、オス鹿の痛烈な叫び声がこだまするのもこの頃です。
3月から4月にかけて角は根元から脱落します。この頃は出産時期に当たるので、危なっかしい角を振りかざしたオスがいては話になりません。うまくしたもので、角の落ちたオスはすっかり穏やかになっているのです。さぞかし春の山は落ちた角でいっぱいだろうと思いきや、角は意外と痛みやすいそうです。ネズミに齧られたり、ナメクジや色々な虫に削り取られたりで、早々と大地に還元されていくようです。
シカ科やウシ科の上顎には
前歯(切歯)
がありません。その為、堅くなった上唇内側と下顎前歯で挟んでちぎるように葉を食べます。上下とも前歯のあるウマやイノシシとは対照的です。
シカのひづめ
狩猟で撃たれた固体の前足です。
カモシカ
より細くとがったひずめです。やや開けた場所を疾走するのに便利です。
→エゾシカの頭骨を見る
→ホンシュウジカの頭骨を見る
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